メタバース書籍・本 紹介シリーズ13回目 メタバースビジネス覇権戦争
メタバース関連自己啓発仕事の仕方技術解説お知らせピックアップコラム
目次
はじめに
メタバースおすすめの書籍紹介 ~入門書・実用書・ビジネスに繋がる本など特長も紹介します~シリーズの13回目です。
ハートテクノロジーズの関係機関である一般社団法人 メタバースアカデミーでは、メタバースに関する様々な書籍が発売される度に購読して、メタバースに関する基本的な知識や技術を蓄える努力を続けています。
既に12冊の書籍・本を紹介しましたが、最近また沢山メタバースの新刊書が発刊されていますので、逐次新しい本の紹介をしていきたいと思います。といことで今回は13回目です。
13回目は、メタバースビジネス覇権戦争 という書籍を紹介したいと思います。
メタバースビジネス覇権戦争 という書籍について
著者:新 清士
出版社:NHK出版新書
発売日:2022年8月10日
著者の新さんは、VRゲーム開発会社 よむネコ(現在Thirdverse)を設立した方です。
会社設立前もゲームジャーナリストとして活動されていたので、ゲーム、VRに関する造詣が深い方です。
概要:メタバースビジネス覇権戦争というタイトルで、確かに企業間の競争に触れた箇所はありましたが、全般的には、メタバースのプラットフォームや商品を既に発売している数多くの主に大企業を紹介した
本と言えます。
特徴:新書版であり、新書だとやはり今でも縦書きが多いですね。この本も縦書きであり、途中に記述に見合った写真や図が掲載されています。
目次を引用しての中身の解説
第1章 誰が覇権を握るのか?
Facebookの創始者であるマークザッカーバーグが、会社名を変えたメタ・プラットフォームズ社におけるメタバースに対する取り組みを紹介した上で、VRゴーグルの歴史、ゲームエンジンとの関係、ビジネスチャンスはどこにあるか?今後の発展について、等盛りだくさんの内容です。
解説:タイトルは、”誰が派遣を握るのか?”になっていますが、内容は、メタバース全体の説明をした章といえます。
第2章 先駆者としてのゲーム企業 ーエピックゲームス、ロブロックスー
メタバースで暮らすという考え方を紹介した上で、メタバースの先駆といえるセカンドライフについてかなりページを割いて説明しています。その後に、エピックゲームス社が行なっているフォートナイト、さらにロブロックスについて紹介しています。
解説:元々ゲームジャーナリストを経てゲームの会社を立ち上げてた著者だけにゲームからメタバースへの発展という切り口で、セカンドライフ、エピックゲームス、ロブロックスの活動について説明しています。中でもロブロックスをここまで取り上げているのはこの本が唯一では無いかと思います。
第3章 メタ・プラットフォームズの野望
この章の最初に、マークザッカーバーグが提唱しているメタバース8つのキーワードを取り上げています。
このキーワードは、2021年10月のフェイスブックのカンファレンスでマークザッカーバーグの話の中で取り上げられたとのこと。以下8つのキーワードを紹介したいと思います。
①センス・オブ・プレゼンス(没入感・実在感)
②アバター
③ホームスペース
④テレポート
⑤相互運用性
⑥プライバシーと安全性
⑦バーチャルグッズ
⑧ニューラルインタフェース
さらもメタ社が運用しているメタホライズンワールドとメタホライズンワークルームの紹介をしています。
解説:メタ・プラットフォームズの活動全般について詳しく説明しています。
その中でもVRデバイス クエスト2に関する記述が多いのは著者の専門性とマッチした領域だからでしょう。
第4章 猛追するマイクロソフトと、その他のGAFA
メタ・プラットフォームズ以外のGAFAであるマイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾンのメタバースに関する取り組みを紹介しています。
解説:メタ・プラットフォームズ以外のGAFAMの会社の取り組みを説明しています。なかでも、メタ・プラットフォームズ社と同じくらい力を入れているマイクロソフトの活動に関する記述に多くのページを割いています。
第5章 新興企業に勝ち目はあるか
ポケモンGoで有名なナイアンティック、NFT関連で有名なサンドボックス、VRゴーグルを被って没入できるメタバース空間の代表であるVRチャットなどの企業を取り上げています。
解説:やはり著者の専門性からVRチャットに関する説明が目立っています。
第6章 2026年のメタバースビジネス
2026年という年を何故設定したのかはともかくとして、近未来メタバースがどうなるかを説明しています。
VRグラスの重要性は、流石著者がVRの専門家であるが故に熱く語られています。それに加えて、メタバースの発展のためには、メタバース空間を作るため使いやすい開発ツールの提供、及びVRグラスやARグラスの小型軽量化が重要と語っています。
解説:メタバース空間を作るための使いやすい開発ツールの提供という話に一番共感しました。過去のインターネットの世界でもWebサイトを作るのに、始めはHTML言語を直に打ち込むところから始まり、ホームページ製作ソフトなどを経て、現在ではWordpressを代表とするCMS(コンテンツマネジメントシステム)で比較的簡単にWebサイトが作られるようになりました。
同じ動きが、メタバースのためのサイトを作るといった活動の中で、起こっていくでしょう。
感想
*全体としてゲーム、VRに詳しい著書の専門性にマッチした領域として、メタバースの中でもゲーム寄りのメタバースプラットフォームの説明に重きがなされている本です。
*メタバースとは何か?歴史は?どんなプラットフォームがあるか?などの記述は少ないので、決して初心者向けではありません。ただしメタバース入門書といえるメタバース超入門などの書籍の次にこの書籍を読むと理解が深まると思います。
関連記事
↓
【動画付き】日本のメタバース関連4団体を比較 日本メタバース協会、メタバースジャパン、メタバース推進協議会、日本デジタル空間経済連盟
東京MXテレビの番組 ネットでの仮想空間「メタバース」を説明出来ますか?を 見ての解説シリーズ(2)メタバースにおける2つの概念