メタバース書籍紹介シリーズ2回目 メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界
メタバース関連自己啓発仕事の仕方技術解説お知らせピックアップコラム
ハートテクノロジーズの関係機関である一般社団法人 メタバースアカデミーでは、メタバースに関する様々な書籍が発売される度に購読して、メタバースに関する基本的な知識や技術を蓄える努力を続けています。
今回は、メタバース関連で2022年に次々と発売されれてきた書籍をシリーズで紹介していきたいと思います。
2回目は”メタバース進化論” 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界 という書籍を取り上げたいと思います。
目次
メタバース進化論の概要
著者:バーチャル美少女ねむ
出版社:技術評論社
発売日:2022年3月19日
概要:全体として、メタバースの中でもVRにフォーカスを当てて書かれている本です。
特徴:メタバースで”生活”している観点から書かれている本です。
コスプレという観点で、アイデンティティ、コミュニケーション、経済を論じています。
目次を引用しての外観解説
以下目次を引用して、この本のポイントを説明します。
はじめに
2021年10月28日マーク・ザッカーバーグのMeta社名変更の発表
バーチャル美少女ねむとは?
メタバース原住民のへの国勢調査などを記しています。
第1章 メタバースとは何か
メタバースの由来、歴史、定義などに触れています。ゲームやSNSとの違いについても語っています。それらはメタバースでは無いと言い切っています。メタバースがもたらす”3つの革命”についても説明しています。
3つの革命とはアイデンティティの革命、コミュニケーションの革命、経済の革命と定義しています。
メタバースが今後の社会構造を大きく変える仕組みになることは間違いないと私も思っている中で、3つの革命と定義づけたのは非常に分かりやすいと思います。
第2章 ソーシャルVRの世界
ソーシャルVRのサービス、その目的、課題について説明しています。メタバース原住民に対して行なった国勢調査の結果がグラフで図示されてます。
この国勢調査におけるメタバースプラットフォームの人気調査ではVRChatがダントツです。
VRChatはVRゴーグルを装着するのがメインと言われていますので、その点ではメタバース生活にどっぷりつかっているメタバース原住民に人気が高いことは納得できます。
Metaの新サービスで日本ではまだ始まっていない”Horizon Worlds” も紹介しています。
メタバースによってソーシャルVRの世界が築かれることは、この書籍で著者が一番訴えたいことだと思います。
第3章 メタバ-ス技術
メタバースの技術について詳しく説明しています。 この章の前半ではVRゴーグルに関して技術的にも詳しく説明されています。
没入感を実現する3つの映像性能の説明や仮想空間でどれだけ動けるかの説明は非常に論理的で分かりやすく記述されています。
後半はアバター技術について詳しく説明されています。
沢山出版されているメタバース書籍の中で、VR技術やアバター技術の説明は、このメタバース進化論が一番詳しいです。
著者が単なる”美少女”だけでなく、技術に関しても造詣が深いことがよく分る章です。
第4章 アイデンティティのコスプレ
この章は、メタバース、VRの世界で暮らす時間が長い著者ならではの 世界観が語られています。
第3章と打って変わって、メタバースの世界での なりたい自分、なぜ助成になりたいかなどについても説明しています。
第5章 コミュニケーションのコスプレ
メタバースに関してどのくらいお互い親近感がわくか、メタバースにおける恋愛とかセックスはどのように捉えられているかなどが記述されている章です。メタバースにおける距離感、スキンシップなどが論じられているのもユニークだと思います。
第6章 経済のコスプレ
メタバースによる経済効果、メタバースで生まれる職業などについて 説明しています。その中でもクリエイターエコノミーは、 メタバースでの新たな職業分野だと思います。
クリエイターもアバタークリエイター、ワールドクリエーター、ゲームクリエイターに分けて詳しく解説されています。
今後メタバースにおいて、どういう職業が生まれるということに興味を持っている方は多いかと思います。
まさにメタバースビジネスを考える上で打って付けの章だと思います。
第7章 身体からの解放
ここもVRの世界にどっぷり使っている著書ならではの見識に基づいて、VRの感覚について前半で論じています。
ファントムセンスという言葉を使っています。ここでも国勢調査の結果グラフに基づいて説明しています。
さらに今後普及されると言われているBMI(ブレイン・マシン・ インタフェース)についても説明しています。
全体感想
・VRに関する解説が非常に充実しています。
・全体解説において、メタバース原住民に対する国勢調査に関する結果に基づいて論じていたり、
・技術解説他も非常に論理的で且つ分かりやすく、著者が単なるVRマニアと言うことでは無く、非常に教養、知識もある方だと言うことが分ります。
・入門書ではなく、ある程度メタバースを理解した後に読む本だと思います。 字が小さいので、中高年にとっては読むのがつらいです。
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