メタバース書籍紹介シリーズ4回目 メタバース さよならアトムの時代 加藤直人氏
メタバース関連自己啓発仕事の仕方技術解説お知らせピックアップコラム
メタバースおすすめの書籍10冊紹介 入門書・実用書・ビジネスに繋がる本など特長も紹介するシリーズの4回目です。
ハートテクノロジーズの関係機関である一般社団法人 メタバースアカデミーでは、メタバースに関する様々な書籍が発売される度に購読して、メタバースに関する基本的な知識や技術を蓄える努力を続けています。
4回目は、メタバース さよならアトムの時代 という書籍を紹介したいと思います。
目次
メタバース さよならアトムの時代 について
著者:加藤直人
出版社:集英社
発売日:2022年4月5日
概要:メタバースの基礎的な事を記した書です。メタバースやVRの歴史に関する記述も詳しいです。クラスターを運営している筆者ならではの深い知識と経験に基づき、メタバースをわかりやすく説明しています。NFTやWeb3.0、VR/ARについても触れています。
目次を引用してのそれぞれの章の解説
以下目次を引用して、この本のポイントを説明します。
第1章 メタバースとは何か?
メタバースの歴史を紹介すると共にメタバースであることの9条件について説明しています。
メタバースの歴史に関しては、1992年の小説 米国の小説家 スティーブンソンの”スノウクラッシュ”に始まると書いて有る書籍が多いです。
この”メタバース さよならアトムの時代”はどの書籍よりも多くメタバースの歴史を語っています。”スノウクラッシュ”以前からのメタバースに繋がる小説や映画などを多く取り上げています。
またメタバースの9条件についても触れています。このメタバースの9条件は、元々米国のメタバース投資家 マシューポールという人が記した”メタバースであることの7条件に対して、著者の加藤直人氏が、独自に2条件を加えています。
この9条件は重要だと思いますので、ここでメタバースの9条件に関して、書籍から引用
させていただきます。
メタバースであることの9条件を引用させていただきます。
1)永続的に存在すること
2)リアルタイム性
3)同時参加人数に制限がない
4)経済性がある
5)体験に垣根がない
6)相互運用性
7)幅広い企業・個人による貢献
8)身体性
9)自己組織化
この条件を見る限り、メタバースは現実世界と同じ環境は必要条件であり、さらに現実世界以上のことが体験できるのが十分条件 といえます。
第2章 メタバース市場とそのプレイヤーたち
メタバース市場の構造を、体験、デバイス、空間の3つのレイヤーに分けて説明しているのが分かりやすいです。
そして、空間=プラットフォームの代表的な会社として、
レック・ルーム、VRChat、ゼベット
という会社を取り上げた上でご自分の会社であるクラスター も取り上げています。
本章の後半では、ライブゲーム会社のCEOであるジョン・ラドフという方が定義したメタバース市場のバリューチェーン 7レイヤについて説明しています。
その7レイヤを引用します。
1)体験
2)発見
3)クリエイターエコノミー
4)空間コンピューティング
5)非中央集権化
6)インタフェース
7)インフラ
それぞれのレイヤについて、具体的事例含めて詳しく説明しています。
第3章 人類史にとってのメタバース
人類の歴史、文明の進化においてのメタバースの位置づけについて語っています。
人間から機械による計算に移っていること、モビリティの時代からバーチャリティの時代に移ると論じており、モノ=アトム から データが重要な時代になると記しています。
これがこの本の副題である”さよならアトムの時代”に繋がります。鉄腕アトムのことではありませんでした・・・
第4章 VRという技術革命
この章は、 メタバース進化論という別書籍と同様にVRの技術に関して詳しくかつ分かりやすく説明されています。
VRの歴史についても詳しく書かれています。
1960年代の第一次VRブーム、1990年代の第二次VRブーム、そして現在の第三次VRブーム というように整理されています。
第1章の”メタバースとは何か?”でもメタバースの歴史について触れていましたが、筆者の加藤直人氏は、歴史観をもって大局的に説明されているので、メタバースやVRに関する理解が深まります。
第5章 加速する新しい経済
筆者が運営するクラスターでのイベントによる事業拡大に触れた上で、今後のクリエイターエコノミーの隆盛、特にワールドクリエイターが求められることなどを詳しく説明しています。
第6章 メタバースの未来と日本
今後メタバースファーストな世界も出てくると言う予測をした上で、今後の日本はメタバースにおいてどういう強みを活かして、何を行なっていけば良いかを説明しています。
全体感想
感想:さすがクラスター創始者の著書だけあって、全体にメタバースに関する知識及び周辺知識が豊富です。
メタバースの歴史やVRの歴史を詳しく分かりやすく説明する一方で、VRの技術に関しても分かりやすく説明しています。
そして全体としてきちんと筆者の考え方、意見をわかりやすく述べています。
筆者のインテリジェンスの高さを感じる書籍です。
メタバースの入門書として最適だと思います。
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