IoT、ロボティクス、メタバース等新規事業、新規商品開発を進めるための7つのステップ【前編】
目次
はじめに
この記事では、主にメーカである企業様が、新規事業、新規商品開発を効率的に進めるためにはどういうことを行なっていけば良いかについて解説します。
これまで既に世の中で使用されている商品開発設計を行なう場合は、ターゲットとしているお客様がどういう方で、どういう商品が求められているかが分っている場合が多いと思いますので、次期商品企画・開発設計において、新たにどういう機能を搭載し、どういう性能にし、どのくらいの価格に設定するか決めやすいです。
一方、今まで世の中で使用されていない商品や、たとえ世の中で使用されていたとしても自社では初めての商品を企画・開発・販売しようとする場合は、どのような事業を行ない、どういう商品を開発販売していったら良いか自体がわからずに悩む場合が多いかと思います。
これから私の経験も踏まえて、IoT、ロボティクス、メタバース等新規事業を進めるための7ステップについて紹介していきたいと思います。できる限りお金をかけないで進める方法を紹介していきます。
この記事は前編ということで、前半のステップ1~3について詳しく解説します。後半のステップ4~7については、簡単に説明し、別記事=後編で詳しく解説します。
ステップ1 先ずは新規事業分野に関する基礎知識を身につけましょう
誰でも新しい分野の事業を行なおうと考える場合は、その分野について詳しくは知らないのが当たり前です。
まずは基礎知識を身につけましょう。
基礎知識の身につけ方として3つ紹介します。
1)書籍・文献から知識を得る
その分野の書籍を最低3冊は購入若しくは図書館で借りて、読みましょう。 読む際に、キーワードを抽出して、パソコンやノートにメモしましょう。
2)Webサイトから知識を得る
上記と平行して、Webサイトでキーワード検索して、その分野の知識、情報をさらに吸収しましょう。ただしWebサイト検索よりも先に書籍を読むことをオススメします。理由は、Webサイトの記事は、その分野の専門家だけでなく、様々な方が書いており、誤った情報も多々あるからです。
まずは専門書籍を読んで、基礎中の基礎の知識を身につけた上で、 Webサイトを調べていくと、正しい記事と誤った記事の区別が出来るようになります。
3)その分野の展示会見学により知識を得る
東京ゲームショウなど特定の展示会を除けば、殆どの展示会は事前登録することにより無料で見学することが出来ます。
展示会では様々な企業、研究機関のブースで開発品や商品の展示を見ることが出来る上、 殆どのブースではその商品の開発に携わった開発設計者、技術者から話を聴くことが 出来ます。
ターゲットとする分野の知識、技術を一挙に知ることが出来る機会ですので、展示会見学はオススメです。新規事業検討のフェーズでタイミングが合う展示会があれば是非出かけてみてください。
ステップ2 有識者を訪ねて、考えている事業に対する御意見をいただきましょう
上記ステップ1である程度の基礎知識を身につけた後、その分野の有識者を訪ねましょう。
会社にお勤めの場合は、会社の規模にもよりますが、社内で詳しいヒトがいるかもしれませんし、社内でその分野の有識者を紹介してくれるヒトがいるかもしれません。
会社内に有識者の情報が無い場合、または小さい会社、または個人で事業を行なおうとしている場合は、以下①~③に記す3つの機関の方に面会することをオススメします。具体的にどのように面会のアプローチをするかお話しします。3つの機関共訪問出来るのが理想ですが、最低1機関でも訪問することを目指してください。
①大学
ネットで検索して、ターゲットとなる分野の研究をしている大学の先生が見つかったら、その大学に問い合わせることによって、面会してくださる可能性が非常に高いです。
ただし、著名な先生、研究者の場合は紹介者がいないと面会が難しいケースもあります。
②公的研究機関
産総研とか公共の機関は、上記大学同様に、ネットなどで検索をしてターゲットとなる研究を行なっている機関、研究者が見つかったらお会いできる可能性があります。
③経済産業局、中小機構などの機関
ターゲットとなる分野の相談をすると、殆どのケースで親切に関係会社や研究機関などの紹介をしてくださいます。
④IoT、ロボティクス、メタバース等の新規事業を目指す場合に訪問したい機関⇒開発を請け負うベンチャー企業
ここまで①~③に記した機関は、新規事業全般で訪問したい機関を取り上げました。
さらにIoT、ロボティクス、メタバース等世の中全体でも新規事業と捉えられるような事業に関しては、こういった事業開発を請け負うベンチャー企業への訪問もオススメしたいと思います。
なぜならば、世の中全体でも新規事業と捉えるような事業は、大学、公共研究機関などでもまだ研究されていない分野か、研究されているとしても学術的であったり、実用化までには時間を擁するような内容であることが多いと考えられます。
実はその分野のベンチャー企業の方が当該新規事業についての知見が深い場合があります。
将来的にそういったベンチャー企業と競合する可能性があるかもしれませんが、一方協業の可能性も有ると思います。あなたの企業の規模がベンチャー企業よりも大きい場合は、ベンチャー企業側も連携先、顧客候補先として交流したいと考えるかも知れません。
是非ベンチャー企業に対して訪問することもチャレンジしてみてください。
上記機関との面会で大事なこと
上記のような機関にアプローチして面会が決まったときに大事なことは、何かしらお土産を持って行きましょう。
ここで申し上げるお土産とは、いわゆる手土産のことではありません。(もちろん必要に応じて持って行って貰った方が喜ばれるかも知れません.良識かい範囲で・・・)
あなたの企業で、どんな事業をおこなっていくかという事業内容の紹介および会社の紹介の資料を作って、その資料をお見せした上で、相手の方に説明するようにしましょう。
説明した後、説明した事業内容について、御意見・フィードバックを貰うようにしましょう。
ステップ3:最初の訪問先に関係者を紹介していただき、紹介先でも事業に関する御意見をお聞きしましょう
ステップ2での訪問先の方との面会において、その分野に関する知り合いの有識者を最低3名くらい紹介して欲しいと頼んでみてください。大概快く紹介してくれます。
紹介を受けた会社に対しては、お逢いした方から紹介いただければアポ取れる可能性は高いと思います。
アポが取れたら、打ち合わせ時に、最初の訪問先と同様に、現在考えている事業の紹介、会社の紹介をした上で、内容に関してフィードバックを貰ってください。
このようなアクションを行なう事によって、最低4社(4機関、4名)の方から、あなたが考えている事業に関する御意見をいただけることになります。
以下のステップ4~ステップ7の詳細は別記事の【後編】で詳しく解説します。ここでは簡単に概要を解説致します。
ステップ4:有識者の意見を踏まえた上で、事業案、商品案を出し尽くしましょう
上記ステップ2,3で得られた有識者の意見も踏まえた上で、新規事業の事業案、商品案などを可能な限りアウトプットしてみましょう。一人で行なうので無く、新規事業のプロジェクトメンバー全員が参加して、ポストイットなどを使って、事業案を出せるだけ出しましょう。
ステップ5:事業案、商品案を3つくらいに絞りましょう。
出し尽くした事業案、商品案を幾つかのカテゴリーに分けてみましょう。
その上で、カテゴリーレベル、若しくはカテゴリーの中の事業案の中からやり方は色々ありますが、行なっていきたい事業案、商品案のベスト3を抽出しましょう。
ステップ6:事業案、商品案ベスト3に関する先行開発、試作を行ないましょう
場合によってはさらに絞って1つ若しくは2つでも良いですが、最低1つは新規事業、新規商品に関する先行開発、試作を行ないましょかい
期間は3ヶ月~6ヶ月くらいが望ましいと思います。
ステップ7:試作品を、ステップ2,3での訪問先や今後の顧客候補先にお見せして意見を聞きましょう
新規事業に関する試作品をお見せすること、デモを行なう事は極めて重要なアクションになります。
まとめ
この記事では新規事業の進め方として、基礎的知識を身につけることと、大学、研究機関などの有識者の御意見を聞くことが重要といった解説をしました。
かつどのようにして複数の有識者の御意見を聞くかといったノウハウについてもお伝えしました。
今後の新規事業の進め方の参考になれば幸いです。
関連記事
⇓