メタバース書籍紹介シリーズ9回目 メタバース未来戦略
メタバースおすすめの書籍10冊紹介 ~入門書・実用書・ビジネスに繋がる本など特長も紹介します ~シリーズの9回目です。
ハートテクノロジーズの関係機関である一般社団法人 メタバースアカデミーでは、メタバースに関する様々な書籍が発売される度に購読して、メタバースに関する基本的な知識や技術を蓄える努力を続けています。
9回目は、メタバース未来戦略 現実と仮想世界が融け合うビジネスの羅針盤 という書籍を紹介したいと思います。
目次
メタバース未来戦略 現実と仮想世界が融け合うビジネスの羅針盤 という書籍について
著者:久保田瞬、石村尚也
出版社:日経BP
発売日:2022年6月20日
概要:数あるメタバースの書籍の中では300ページに及びボリューム有る書籍です。
入門書では無く、副題にあるようにメタバースビジネス戦略を考えるのに役立つ本です。
特徴:メタバース進化論、世界2.0 といった書籍同様に、縦書きです。
図解は少なく論述文章が多い書籍です。
目次を引用しての中身の解説
はじめに メタバース 人々の夢想が現実になる「もう一つの世界」
2030年くらいまでを目がけて、ビジネスとしてメタバースの可能性があることを記しています。
Chapter1 結局、メタバースとは何なのか?「3つの誤解」を読み解く
メタバースの特徴を記した上、メタバースは普及しないという3つの誤解に対して論じています。
またメタバースとゲームの関係についても論じています。
Chapter2 メタバースをめぐる世界の潮流と主要プレーヤー
メタバースにおける世界での主力プレイヤーを紹介しています。
先ずはMetaを紹介しています。
次にエピックゲームズ、ロブロックス、VRチャット、Sandbox、NAVER Z、NVIDIAといった米国勢のメタバースプラットフォームを制作運用しているプレイヤーを紹介してます。
その次に、日本の3つのプラットフォームも紹介しています。3つとは、クラスター、ヒッキー、リアリティです。
その上でメタバースを牽引するアプローチに触れ、さらにはクリエイターエコノミーの重要性について触れています。
Chapter3 分解 メタバースビジネス ~レベル進化と業界構造~
この著書では、メタバースを長期的スパンで捉えています。
フェーズ1:黎明期(現在から2025年くらい)
フェーズ2:普及期(2025年~2030年くらい)
フェーズ3:定着期(2030年以降)
現在はまだ黎明期で有り、メタバースが普及定着する前の足がかりの時代と捉えています。
この章の後半では、7層のバリューチェーンでメタバースを俯瞰しています。そのアプローチは、加藤直人さんの メタバース さよならアトムの時代と被りますね・・・
さらにメタバースと宇宙開発は似ている?という論述も有り、それは佐藤航陽さんの世界2.0と被ります。
Chater4 業界別 メタバースのビジネスチャンス
この章は現時点でもメタバースを用いた事業を行なっている業界の紹介をしています。
イベント、小売り、広告、観光、教育などです。
この章はメタバースをビジネスにしていきたいと考える人にとって様々な啓発を受けられると思います。
Chapter5 メタバースの始め方「3つのステップ」
この章では、最も初心者向けにメタバースの始め方を3つのステップに分けて説明しています。
まずは実際に体験してみよう!と提案しています。
Chapter6 メタバースの未来について
メタバースの未来について、ハードウエア、VR、AR,アバター、3Dと言った観点から説明しています。
そして後半ではメタバースにとって重要なこととして人材確保、マネタイズ、コンテンツ創出を掲げています。
感想
メタバースの入門書ではありません。ビジネスを考えると言った観点では現時点で一番奥が深い書籍だと感じました。
各章の最後に,有識者との対談が掲載されています。様々なメタバース関連の有識者の考え方に触れられるのはこの書籍のユニークな点の一つだと思います。
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