現場密着型企業顧問の「仕事時間」と「実務」の全貌:1日4時間で最高の結果を出すプロの戦略
目次
はじめに
「企業顧問という働き方に興味はあるけれど、実際にはどれくらい拘束されるのか?」「本業やプライベートを犠牲にせずに、複数の会社をサポートできるのか?」 これから顧問を目指す方、あるいは既にエージェントに登録している方が最も抱く疑問が、この「時間と実務の実態」です。
7年間で60社以上の顧問を務めてきた私の結論から申し上げましょう。顧問として成功し、自由な時間を手に入れるための鉄則はただ一つ、「時間を売るのをやめ、知恵とノウハウを売ることに徹する」ことです。本記事では、顧問のリアルなスケジュールから、クライアントに振り回されないための具体的な実務の進め方まで、徹底解説します。
① 顧問の仕事は「作業」ではなく「意思決定のショートカット」
まず、多くの人が陥る最大の誤解を解いておかなければなりません。それは「顧問=現場の助っ人作業員」という思い込みです。 特に顧問エージェントから紹介される案件では、企業側も「何を頼めばいいか」を正確に把握していないことが多々あります。そこで、言われるがままに資料作成や実務の代行を引き受けてしまうと、あなたは「時給の低い、使い勝手の良い派遣社員」に成り下がってしまいます。
プロの顧問の仕事の本質は、経営者やプロジェクトリーダーの「壁打ち相手」となり、意思決定をショートカットさせることにあります。経営者が数ヶ月悩んでいる課題に対し、あなたの過去の経験から「その場合はAではなくBのルートで行くべきです。なぜなら……」と1時間で道筋を示す。これこそが、企業があなたに高額な報酬を払う理由です。
私の例は、さらにニッチ、専門的ですが、数社の企業に関して、開発して既に世の中に出していた商品の無線通信トラブルの原因を一緒に突き止めて感謝されたという経験があります。これも全面的に作業したわけではなく(作業ゼロではありませんが)、一緒に作業した、かつ不具合の原因解析や対策に関して、無線方式を理解して、かつ過去の様々なトラブル体験をもとにして、様々なアドバイスをしたことによって問題が解決しました。
1つ強調しておきたいのは、作業者になったわけではありません。最終的な問題解決は企業側に行ってもらうための導火線になったのがポイントです。
② 具体的なスケジュール例:週1日から始める「複業モデル」
顧問契約の多くは、月2回から4回程度の定期ミーティングが基本です。具体的な時間配分の例を挙げます。
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標準的な1社あたりの稼働量例:
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定期オンライン会議:月2回(各120分)=4時間
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随時のチャット・メール相談:月間計2時間
- 企業側からの資料チェック、およびレポートなどの作成2時間
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合計:月8時間 契約としては月2日のイメージ→月4回の場合も結構あります。すなわち週1日の支援。1日といっても会議自体は2時間程度ですので、月合計8時間程度の会議 およびメールや資料チェック、作成の時間が8時間程度で合計月16時間ということになります。
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これなら、平日の早朝、昼休み、あるいは夜間の1時間を使うだけで十分にこなせます。週末にまとめて相談に乗るスタイルも可能です。私自身、最大で約6社の顧問を同時に掛け持ちしていましたが、実稼働時間は週に15時間程度でした。残りの時間は、自らの学びや、次のビジネスの構築(デジタルコンテンツの制作など)に充てることができます。
③ 自由な時間を守る「ガードレール」の作り方
「月4時間」という契約を維持するためには、最初が肝心です。契約初期に、あなたとクライアントの間に明確な「ガードレール」を引いてください。
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「実行」は社員の仕事、「導き」があなたの仕事: 会議で決まったタスクを「私がやっておきます」と言ってはいけません。「これは〇〇さんが次回の会議までに進めておいてください。やり方が分からなければ、いつでもチャットで聞いてください」と、ボールを相手に渡すのです。
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連絡のルールを決める: 「返信は24時間以内に行いますが、土日は緊急時以外休みます」といったルールを事前に共有しておくことで、プライベートを侵食されるのを防げます。
④ 技術者や士業が「短時間」で価値を出せる理由
特にエンジニア出身の方や士業の方は、この「短時間高付加価値」の働き方に向いています。なぜなら、解決策が明確な「正解のある悩み」を扱うことが多いからです。
「このシステムのバグが取れない」「この助成金の申請方法が分からない」といった悩みに対し、あなたは答えを知っています。
相手が10時間かけて調べることを、あなたは5分で回答できる。この「時間の差分」こそがあなたの利益であり、クライアントにとっての価値なのです。
私の経験を申すと、ある企業様の支援で、BLE(Bluetooth Low Energy)という無線通信方式を用いた開発において、企業様側からの疑問に対して、初回のミーティングでアドバイスしたら、その疑問が解けて感謝されたということがあります。まさに企業側が何か月かわからなかった疑問を5分で回答したのに近い事例でした。
⑤ まとめ:時間をデザインする勇気を持とう
顧問という働き方は、単なる収入源ではありません。自分の知見を社会に還元しながら、自分自身の人生の主導権を取り戻すための手段です。 「作業」を引き受けてはいけません。「視座」を提供してください。それが、あなたとクライアントの双方が幸せになる唯一の道です。
より具体的な「案件の回し方」や、経営者に「大森さんを離したくない」と言わせるコミュニケーション術については、私が行っている『顧問スター養成講座』において、実例を交えてさらに詳しく解説しています。
ご興味ある方は問い合わせていただければ幸いです。