メタバースと生成AIの連携について
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メタバースのブームはこれからです
メタバースは、この1年Chat GPTを代表とする生成AIブームに押されて、2022年に比べるとあまり話題になりませんでした。
しかしながら、メタバースは、これからも発展することは間違いありません。長い目でみれば、メタバースの未来が来ることは間違いないです。
最近携帯電話のオペレータであるNTTドコモ、KDDIがそれぞれメタバースと生成AIが連携するサービスに関する記事を発表していたので、ここで2つの記事を紹介したいと思います。
NTTドコモの取り組み:メタバース上に生成AIでNPCを生成
NTTドコモグループは、現在DoorとMetaMeという2つのメタバースサービスを運営しています。ところが残念ながら、2つのプラットフォーム共に、あまり人の賑わいが多くないというのが問題になっています。
そこで、NTTドコモは、メタバース空間に、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)というプレイヤーが操作しないキャラクターを生成AIによって生成するという技術を開発して、「docomo Open House’24」で発表しました。
NPCはいわゆるゲームの世界では良く使われていますが、メタバースの世界ではそれほど使われていませんでした。
NTTドコモは、できる限りNPCが自然な動きでメタバース空間をふるまうようにするために、NPCの動きを英語ですが、自然言語で指示すると、その行動ロジックを自動で出力するような仕組みを作りました。
一例として「メタバース空間をぐるぐる散歩して、プレイヤーが来たらあいさつする」といった動きの指示文を与えると、生成AIによって行動ロジックが出力されるということを実現しました。
メタバース空間があまりにぎわっていないという問題を逆手にとって、生成AIでNPCを作成するという取り組みが素晴らしいと思います。
KDDIの取り組み:「生成AI」によってメタバースに活路を見出す
KDDIは産業用メタバースは発展しているのにも関わらず、対照的にコンシューマ向けメタバースが苦戦しているのは、コンシューマ向けメタバースコンテンツが少ないからと分析しました。
それを踏まえた取り組みとして、KDDIのメタバースプラットフォームであるαU metaverse上でのライブ配信機能を一般ユーザーにも開放しました。。さらに、ユーザー同士で盛り上げようと、カラオケボックスをメタバース空間上に設置して、メタバース上でのカラオケ合戦をできるようにしました。
さらに生成AIを用いてアバターを容易に制作出来る環境を作ろうという計画や、著名な音楽プロデューサーの感性をAI化し、そのAIを使ってクリエーターをプロデュースする取り組みも発表しています。
これからのメタバースは?
コンシューマー向けメタバースはまだまだ苦戦が続くと思います。今年Appleからメタバース用ゴーグルが発売されますが、価格が50万円前後の上、まだまだ形状が大きいです。普通のメガネサイズと変わらないものが出てきたときに、コンシューマ向けメタバースがブレークすると思います。
一方、産業用メタバースは、工場での製造支援や、作業訓練などをはじめとして、IoT、デジタルツインという流れと連携して発展をしつづけてゆくでしょう。
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