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リスキリングについてどこよりもわかりやすく解説します

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はじめに

 

2023年はリスキリングという言葉がバズワードになると思います。ただし、現時点ではリスキリングという言葉はまだ世の中に浸透しているとはいえない状況です。

 

リスキリングという言葉を知らない人がまだまだ多いです。何名の方かに尋ねると、 “リスクマネジメントのやり方ですか?”という答えが多いのです。

 

リスキリングは、全くリスクマネジメントとは関係ありません。リスキリングは、英語で書くと、Re-Skilingです。

 

なんと日本語のリスキリングという言葉は、まだWikipediaにも掲載されていません。

 

リスキリングの定義

 

リスキリングとは、

企業などの経営戦略や人材戦略のもと、従業員が今後の新たな業務などで必要となるスキルや知識を習得すること”と定義されます。

 

基本的には企業が従業員を現在とは違う職種についてもらうための訓練 というのがリスキングのミクロな定義になります。

 

なお、”リスキリング”という本においては、著者の後藤宗明氏は、以下のように定義づけています。
『新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと』【出典 リスキリング 後藤宗明氏著】

 

この定義だと、ある企業の中でリスキリングの教育を行うだけでなく、個人個人が新たなスキルを身に着けて、新しい仕事を行うこととがリスキリングであると解釈できます。リスキリングの別の定義と捉えられると思います。

 

 

リスキリングは、現在の業務の中でのスキルを磨くことではない

 

現在とは違う分野のスキルを身に着ければ今とは違う業務、仕事を行うことができるというのがリスキリングのポイントになります。

 

いま行っている仕事のためのスキルを磨くことも重要ですが、それはリスキリングではなく、日本語だとスキルアップ、英語だとUp-Skillingになります。Re-Skillingではありません。

 

リスキリングの歴史

 

リスキリングもやはり米国が発祥でした。

 

先駆者といわれる企業が AT&T(アメリカで最も歴史のある電話会社)です。

 

ATTが、2008年ころ、25万人の従業員の10年後を危惧したのがきっかけです。 “ハードウエア関連のスキルでは生き残れない”という危惧でした。

 

従業員におしなべていえば”ソフトウエアのスキル”を身に着けさせるアクションを起こしました。具体的には、2013年ころからリスキリングのアクションを開始しました。

 

このATTの動きが米国全土に広がっていきました。

 

2016年米国のコミュニティカレッジでリスキリング科目が開始されました。

 

そしてリスキリングの動きは米国だけでなく世界に広がっていきました。

 

そのきっかけが、2018年の世界経済フォーラム(ダボス会議) です。

ダボス会議において、 “2030年までに全世界で10億人をリスキリングすると宣言したのです。

 

世界経済フォーラムとは?

経済、政治、学究、そのほかの社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関です。1971年に設立しました。

スイスのダボスで開催される年次総会、“ダボス会議”が有名です。

 

リスキリングの対象分野は?

定義からだと、現在の仕事と異なる分野を学べばリスキリングといえるのですが、AT&Tの例のように、デジタル化に関する分野のスキルを身に着けるのが大半です。

 

ただし、私はデジタル化に関する分野だけに限定しなくてよいと思います。

 

リスキリングと紛らわしい言葉について解説します

 

リカレント教育

働く→学ぶ→働く というのがリカレント教育の定義になります。

ということはいったん仕事を辞めて学ぶことに専念する期間があるのがリカレント教育になります。

 

学びなおし

学びなおしは全体を学んだり、今行っている仕事に関する学びの意味合いが強いです。スキルアップに近い意味になります。

 

DXとの関係

 

DX=デジタルトランスフォーメーションに対して、そのためのスキルを学ぶのがリスキリングというのはマッチすると思います。

 

米国の企業がリスキリングは進んでいます

 

3つの会社の状況を取り上げます。

【出典:リクルートワークス研究所レポート】

 

Amazon

 

2025年までに米国の従業員10万人をリスキリングすると発表しました。

例)非技術系人材を技術職に移行させる「アマゾン・テクニカル・アカデミー」、

  IT系エンジニアがAI等の高度スキルを獲得するための「マシン・ラーニング・ユニバーシティ」

  などの取り組みが行われています。

 

ウォルマート

VRを活用して、災害対応などの疑似体験を行っています。店舗店員に対して、“小売りのDX”に対応するスキルの習得を促しています。

 

 

マイクロソフト

ユニークなのは、社外の人のリスキリングの支援をしていることです。

 

 

日本はどうか?

リスキリングが目立つ会社をいくつか取り上げてみたいと思います。

【出典:リクルートワークス研究所のレポート】

 

日立製作所

  国内グループ企業の全社員約16万人を対象にDX基礎教育を実施しています。

 

富士通

  ITカンパニーからDXカンパニーへ を提唱。人材のリスキリングが重要課題と捉えています。

 

住友商事、三菱商事などの商社

  各社とも文科系の社員に対してAI研修やIT研修などを実施

 

やはりどの会社ともリスキリングのテーマは、IT、ソフトウエア関係ですね。

 

日本全体でリスキリングに取り組む必要がある

 

最新の調査において、日本のIT競争力ランキングはなんと世界28位です。

もはや先進国とはいえません

 

日本国全体としてリスキリングを行う必要があるといえます。

 

実際、経済産業省がリスキリングを推進しようとしています。

 

リスキリングのためのスキルの整理

リスキリングのスキルには、ハードスキルソフトスキルがあります。

ハードスキルとは?

評価基準が明確で定量的なスキルです。

例)プログラミング、語学、資格、学歴

 

ソフトスキルとは?

評価基準が見えにくい定性的なスキルです。

例)問題解決能力、リーダーシップ能力、論理的思考力、コミュニケーション能力、判断力

ハードスキルとソフトスキルの詳細は以下の別記事を参照お願いします。

リスキリングでのハードスキル・ソフトスキルと、ものづくり・システム開発のハードスキル・ソフトスキル は意味が違います

 

リスキリングをどうやって行うかの基本原則

 

リスキリングは社内で学べるとは限りません。OJTで身につきにくいです。それは当然と言えます。

 

現状の仕事分野とは異なるスキルを身に着けようとするのですから、社内にスキルがあるとは限りません。

 

かつ、会社においてはリスキリング自体を業務として行うのが原則ですので、就業時間にリスキリング教育を行う必要があります。

 

こういった教育はやはり大企業のほうが行いやすく、中小企業では自社内でのリスキリング教育を行うのは非常に困難でしょう。

 

それゆえリスキリングは、社外での教育がもてはやされることになります。

 

個人としてのリスキリングは、当然自分の時間で行う必要がある

 

これまで解説してきたように、ミクロな定義でのリスキリングは、企業内で就業時間にリスキリングの教育を受けることになるわけですが、実際にリスキリングを企業内で行うことは簡単ではありませんし、行ったとしても時間が十分でないでしょう。

 

となると、個人として就業時間以外の時間を活用してリスキリングに関する学習を行う必要があります。

 

 

個人でリスキリング行う際は、オンライン講座の活用がおすすめ

 

個人でのリスキリング学習でのおすすめはオンライン講座を活用することだと思います。

代表的なオンライン講座を以下挙げます。

Udemy(基本有料)
JMOOC(無料)
Schoo(生放送は無料、アーカイブは有料)
Youtube(無料)
ストアカ(基本有料)
マイラ(有料)
TechAcademy

 

オンライン講座の中でも一番のおすすめはJMOOC

 

一番のおすすめオンライン講座として、JMOOCを推奨したいと思います。

 

JMOOCは元々はアメリカ生まれです。

MOOCs→Massive Open Online Courses (大規模公開オンライン講座)という名前で、米国で2008年にスタートしました。

 

日本ではJ(Japan)MOOC という名前で2013年にスタートしました。

 

JMOOCはすべて講座を無料で受講できるうえ、講座の内容自体大学の先生が講師を務めている場合が多く、非常に充実したカリキュラムになっています。

 

試験とかが無いので、モチベーションを維持するのが一番の課題ですが、それでもリスキリングを学べる環境として非常に良いと思います。

 

リスキリングにとって王道ともいえるIT、ソフトウエア関連の科目が充実しています。

 

リスキリングを身に着けるためには、アウトプット重要

どんな学習も同じですが、インプットするだけでなくアウトプットすることによって学習内容がより深く身につくことは間違いありません。

 

アウトプットもいろいろな手段があります。

 

以下、代表的なアウトプット手段を記してみましたので、参考にしてみてください。

自分のブログで発信する
LinkedInで発信する
FB他SNSで発信する
社内勉強会講師を務める
社外勉強会の講師を務める
 
 

筆者のリスキリング例

 

実は僭越ながら、筆者は、リスキリングという言葉が有名になる以前から、リスキリングを実践してきたといえます。

 

参考に筆者のリスキリング例を記します。何らかの参考になれば幸いです。

 

1)社会人大学に通う

2005年社会人大学院に行き、ITやビジネスモデル、知財などを学びました。ちょうどその年部長から部長職に代わり時間ができたこともあり、会社の掲示板に掲載されていた社会人大学院で新たなスキルを身に着けようと思いたちました。

 

これまでは筆者はソフトウエアといっても組み込み機器のソフトウエア開発が中心でしたので、社会人大学院でIT関連のソフトウエアを学べたことは大きな収穫になりました。

 

2)社内勉強会を始める

2009年商品開発部門の設計推進担当になった際に、若手技術者育成をメインの目的として毎週水曜日の定時後に社内勉強会の企画・運営を開始しました。

 

こういった勉強会の企画・運営自体今まで行ったことがありませんでしたので、様々な本を読んだりすることによって、企画・運営の仕方を学びつつ実行していきました。

 

3)ロボティクスプロジェクトの際、始めは調査や有識者への訪問から始める

2015年 社内のロボティクスデバイスソリューションプロジェクトの実質サブリーダーになった際、筆者はロボットに関してほとんど知識がありませんでした。

 

そこでまずは社内の有識者に相談に行き、

 

その有識者から社外の有識者を紹介してもらい、

 

さらには社外の有識者のところを訪問してロボティクスに関して様々なことを教えていただいた後、

 

さらにその有識者の知り合いを紹介してもらって、その知り合いのところも訪問する、

 

といったことを繰り返すことによって、ロボティクスに関する知識を徐々に身に着けることが出来ました。

 

4)Web集客講座、マーケティング講座、ポジティブ心理学講座等沢山の講座を受講する

 

会社を退職・独立した後、様々な講座を受講しました。

 

理由は、独立して自分の会社を設立して経営していく際には、会社の時にはほとんど行わなかったマーケティング活動、集客活動、様々な方とのコミュニケーションなどが重要だと思い、そういったスキルを身に着けるために沢山の講座を受講したわけです。

 

まとめ

この記事では、

 

・リスキリングの定義、歴史を解説しました。

・リスキリングのためのスキルの整理をしました。

・リスキリングの具体的な方法について解説しました。

・筆者のリスキリングの例を紹介しました。

 

この記事が今後のリスキリングの参考になれば幸いです。

 

参考記事

リスキリングでのハードスキル・ソフトスキルと、ものづくり・システム開発のハードスキル・ソフトスキル は意味が違います

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