5Gがまだ普及していない中、6Gの話題が多くなってきました!
携帯電話の世界は、この2,3年5Gという言葉が話題になっているのはご存じかと思います。そうした中で、最近は6Gという言葉が目立つようになってきました。この記事では、5Gの先の6Gというのは一体何を目指しているのかについて、これまでの1Gから5Gまでを振り返りつつ解説したいと思います。
目次
そもそもGってどういう意味?
5G、5G、その前は4Gとか騒がれている中で、Gというのはどういう意味がご存じない方もいらっしゃるかもしれませんね。GとはGenerationの略です。和訳すれば世代ということです。携帯電話の歴史において、大体10年に1度くらいで世代交代しており、今2020年代は5Gの時代と言われています。
これまでの1Gから5Gを簡単に振り返ってみましょう
凄く大雑把に、1G~5Gまでを振り返ってみたいと思います。
まず世界の中で実験はともかく携帯電話に相当するサービスが一番初めにスタートした国はどこだと思いますか?
正解は日本なのです。1979年に携帯電話の前身として、自動車電話サービスというのが日本電信電話公社(現在のNTT)で始まりました。そして自動車電話の機器を納入していたのが、筆者も勤めていた松下通信工業とNECの2社だったのです。それはさておき、その時の方式がアナログ方式の携帯電話でしたのでそれを分かりやすくするために1980年代として1G(第1世代)と称されています。それを含めて1Gから5Gまで簡単に整理してみましょう。
1980年代 1G(第1世代) アナログ方式、音声通話のみ
1990年代 2G(第2世代) デジタル方式、メールが出来るようになる。簡単なインターネット可能。 データ速度 数10kBps
2000年代 3G(第3世代) 2Gの高速化、キーワードはWCDMA、CDMAone。 途中で高速化がさらに図られる。データ速度 数Mbps
2010年代 4G(第4世代) 3Gの高速化、LTE(3Gの倍)が最初に実用化 データ速度 数10Mbps~数100Mbps
2020年代 5G(第5世代) 超高速に加えて超低遅延、多数同時接続という 3つの特長を有する データ速度 数100Mbps~数Gbps
現状の5G自体が途中段階です
日本における5Gサービスは、2000年の初頭に始まりましたが、コロナの影響もあってネットワーク設備の設置遅れと言うことも有り現状まだまで5Gが行き渡っているとはいえません。5Gのサービスエリアにおいても4Gよりデータ通信速度が遅い場合のほうが多いくらいです。
ただし、これらはあと2-3年でネットワーク設備の完備により、5Gの実力も発揮されてデータ速度も数100Mbps~数Gbpsになることを期待しているところです。
そうした中で業界の注目は6Gへ
5Gがまだ普及していない現時点で6Gの話題がかなり出てきているというのは非常に興味深いです。というのは例えば10年前を振り返ると2010年代前半は、4Gがかなり普及してきたときにはそれほど5Gの話題は出ていませんでした。今回は5Gが今一歩盛り上がっていないこともあり、技術の世界では6Gのほうに注目がシフトしている気がします。
6Gの特長は?
では6Gとはどういう特長になるのでしょうか?まず先ほどの1G~5Gでの整理と同じ書き方でポイントを記してみましょう。以下のようになります。
2050年代 6G(第6世代) 超高速・大容量、超低遅延、超多接続、超低消費電力・超低コスト、超信頼性、通信領域の拡張
となります。筆者が少し抵抗がある言い方は、”何でも超をつければ良いという物では無い”ということは申し上げておきたいと思いますが、現実にはこのような目標になっていると言うことです。
もう少し具体的にそれぞれを記すと、
・超高速・大容量:100Gbpsを超える超高速通信。無線通信でここまでのデータ通信速度になること自体、専門家である筆者も少し信じられない物があります。
・超低遅延:これは1ms以下ということなので、5Gとあまり変わらない気がします。もっとも5Gでは1ms程度と言ってましたので、1ms以下と断言しているとしたらさらに低遅延になりますね。
・超多接続:1平方Kmあたり1000万デバイスの接続を実現とのこと。5Gでは100万デバイスと言ってましたので、10倍を目指しています。
ここまでの3つは5Gの3大特長をさらに進化させた物になります。
一方これから申し上げる3つは5Gでは取り上げられていない特長になります。
新たな6Gの特長が 超低消費電力・超低コスト、超信頼性、通信領域の拡張です
・超低消費電力・超低コスト:具体的な数字がなかなか見えてきません。この超低消費電力・超低コストの対象は、携帯電話端末だけでなくネットワーク側もです。
・超信頼性:よく言われるセキュリティの信頼性を向上させ、自動運転、ロボティクスでの応用がさらに進むことを念頭に置いています。
・通信領域の拡張:この特長だけは”超”がついていないので、逆にほっとします。かつこれが一番分かりやすいかも知れません。ここでいう通信領域の拡張は陸上での携帯電話使用だけで無く、海、空、宇宙でも通信が出来るようになるということを目指しています。空、宇宙での通信実現のために、静止衛星、低軌道衛星、HAPS=High Altitude Platform Stationという高高度疑似衛星 といったものを使用した研究開発が、各通信事業者で競い合うように進められています。また水中無線通信の開発も進んでいます。水中では無線と言っても今までの無線通信の周波数だと水の中での減衰が激しいので音響通信や光通信を用いた研究開発が加速しています。
まとめ
この記事では、まず6Gが目指す概要について、今までの1G~5Gを振り返った上で解説しました。今後6Gに関する解説は逐次行なっていきたいと思います。
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