リスキリングでのハードスキル・ソフトスキルと、ものづくり・システム開発のハードスキル・ソフトスキル は意味が違います
目次
はじめに
最近リスキリングという言葉が注目されています。
ただし、リスキリングのことを知っている人もいれば、聞いたこともいないという人もいます。
先日リスキリングとメタバースについて という勉強会を行った際、リスキリングという言葉を知っている人は約半数でした。
この記事では、リスキリングにおけるハードスキルとソフトスキルについて解説をしたうえで、昔からあるモノづくり・システム開発におけるハードスキルとソフトスキルとは全く違う意味で使われていることについて詳しく解説します。
今後ハードスキル、ソフトスキルという言葉が様々な場面において、混乱して使われる可能性があると感じましたので、整理をしたいと思います。
リスキリングにおけるハードスキルとソフトスキルについて
以下解説します
リスキリングにおけるハードスキルとは?
評価基準が明確で定量的なスキルのことをいいます。
例)プログラミング、語学、資格、学歴
ここでの”ハード”とは、”スキルの形が定量化できるスキル”と捉えられると思います。
プログラミング、語学、資格、学歴などのスキルに関しては、すべて能力を評価する場合、試験(テスト)で点数付けをした上で、スキルのレベルが明確にすることが出来ます。
リスキリングにおけるソフトスキルとは?
評価基準が見えにくい定性的なスキルのことをいいます。
例)問題解決能力、リーダーシップ能力、論理的思考力、コミュニケーション能力、判断力
ここでの”ソフト”とは、”スキルの形が定量化困難なスキル”と捉えられると思います。確かに、例で挙げたスキルは、点数付けとかは難しいスキルだと思います。
モノづくり・システム開発におけるハードスキルとソフトスキルについて
一方、ものづくり・システム開発におけるハードスキル・ソフトスキルは、どういうスキルであるかを解説したいと思います。
モノづくり・システム開発におけるハードスキルとは?
電気回路、電子回路、無線回路、機構、など”モノの形が明確なことに関するスキル”と捉えられると思います。
モノづくり・システム開発におけるソフトスキルとは?
ソフトウエア設計、プログラミング、コーディング、テスト、レビューなど”モノの形が明確でないことに関するスキル”と捉えられると思います。
モノづくり・システム開発でのプログラミングなどのソフトウエアスキルは、リスキリングではハードスキル!
紛らわしいのは、
プログラミングなどソフトウエアに関するスキルはリスキリングにおけるスキルとモノづくり・システム開発におけるスキルが名称からすると逆になっていることです。
モノづくり・システム開発においてはプログラミングは”モノの形が明確でない”ので、”ソフトスキル”として位置づけられています。
一方、
リスキリングにおいては、プログラミングは、”スキルが定量化できるスキル”なので”ハードスキル”と捉えられています。
非常に紛らわしいですね。
モノづくり・システム開発のハードスキルは”ハードウエアスキル”、
ソフトスキルは”ソフトウエアスキル”が正しい言葉遣い
以下のように考えたらよいのではないかと思います。
モノづくり・システム開発における”ハードスキル”、”ソフトスキル”は正確な言葉でいえば、
それぞれ ”ハードウエアスキル”、”ソフトウエアスキル”なのです。
ハードウエア、ソフトウエアという言葉は、第2次世界大戦後に米国でコンピュータが発明されたときに生まれた言葉です。
ソフトウエアとはコンピュータを動かすためのプログラミングやデータのこと
と定義されました。
一方リスキリングにおけるハードスキル、ソフトスキルはハードウエア、ソフトウエアとは関係なく、
それぞれ ”ハードなスキル”、”ソフトなスキル”という意味になります。
日本では、ものづくり・システム開発におけるハードウエア開発、ソフトウエア開発をハード開発、ソフト開発と言いうことが多いです。すなわち”ウエア”が省略されてしまっています。欧米ではそういう省略の仕方はしません。
略語でHWやH/W、SWやS/Wと略し、Wareの部分を省略することはないわけです。
それゆえに、リスキリングにおけるハードスキル、ソフトスキルとモノづくり・システム開発におけるハードスキル、ソフトスキルでの意味の混乱は欧米では起きず、日本だけで起きる問題かもしれません。
今後、リスキリングにおいてハードスキル、ソフトスキルという言葉が今後浸透するとしたら、
モノづくり・システム開発におけるスキルは、”ハードスキル”でなく、”ハードウエアスキル”、”ソフトスキル”でなく”ソフトウエアスキル” という言い方をするべきと提案したいと思います。
ここまで読んでくださった方へのお願い
今回のような投稿記事含め、リスキリングに関する講座を開催していきたいと思っています。何かご要望などありましたら、以下の問い合わせフォームの”お問い合わせ内容”のところに書いていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
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