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無線LANで重要な要素:セキュリティ、QoS、モビリティについて

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はじめに

無線LAN(Wi-Fi)は、私たちの生活や仕事に欠かせない技術です。

 

特にスマートフォン、ノートパソコン、IoTデバイスの普及により、さまざまな場所で無線LANを活用する場面が増えています。

 

本記事では、無線LANの運用や導入において重要な3つの要素であるセキュリティ、QoS(Quality of Service)、モビリティについて、わかりやすく解説します。

 

 

1. セキュリティ:通信を守るための最重要要素

 

無線LANは、電波を使って通信するため、通信内容が第三者に盗聴されるリスクが存在します。そのため、セキュリティ対策は非常に重要です。

 

セキュリティの主な脅威

 

セキュリティの脅威は様々ありますが、代表的なものを3つ挙げます。

 

 

  • 盗聴(Eavesdropping): 無線通信の電波を傍受し、通信内容を盗み見る行為。
  • 不正アクセス: 他人が無断でネットワークに接続し、悪意ある行動を行う可能性。
  • なりすまし攻撃: 正規のアクセスポイントに見せかけた「偽アクセスポイント」にユーザーを接続させ、情報を盗む攻撃。

 

セキュリティの対策

 

セキュリティの対策も色々あります。ここでは無線LANに関するセキュリティの対策として4つ挙げたいと思います。

 

 

  • WPA3の利用: 最新の暗号化規格で、強力なセキュリティを提供します。WPA2よりも安全性が高く、古いパスワードを使った攻撃に対しても防御力があります。
  • SSIDの管理: ネットワーク名(SSID)を非公開にする=ステルスとも言います=ことで、不特定多数にネットワークが認識されるリスクを減らします。
  • MACアドレスフィルタリング: 許可したデバイスだけが接続できるようにする設定です。
  • ゲストネットワークの活用: 家庭やオフィスで、訪問者専用のネットワークを提供し、内部のネットワークと分離します。

 

セキュリティが甘いと、個人情報の漏洩やシステムへの不正侵入が起こり得ます。そのため、しっかりとした対策を講じることが必要です。

 

2. QoS(Quality of Service):通信品質を保証する

 

無線LANでは、多くのデバイスが同時に接続することで通信品質が低下する場合があります。

 

特にビデオ会議やVoIP(IP電話)などのリアルタイム通信では、遅延や途切れが発生すると大きな問題になります。そこで重要なのが、QoS(Quality of Service)です。

 

QoSの役割

 

QoSは、ネットワーク内で利用する通信の優先順位を管理する仕組みのことを指します。

 

これにより、リアルタイム性が求められるアプリケーションに対して優先的に帯域を割り当て、遅延を抑えます。

 

QoSの具体的な設定例

 

QoSの設定には幾つか方法があります。ここでは代表的な設定例を記します。

  • 優先度の高いトラフィック: VoIP、ビデオ会議、ライブ配信などに優先的な帯域を割り当てます。
  • 帯域幅の制御: ストリーミングや大容量ファイルのダウンロードが他の通信を圧迫しないように調整します。
  • ネットワークの分割: VLAN(仮想LAN)を使って業務用通信とエンターテインメント用通信を分離します。

 

QoSの重要性

 

特にビジネスシーンでは、安定した通信が業務効率に直結します。

QoSを活用することで、重要な通信の品質を保つだけでなく、ユーザー全体に公平な通信環境を提供することができます。

 

3. モビリティ:シームレスな接続を実現

無線LANのもう一つの大きな特徴は、モビリティ(移動性)です。

 

デバイスを持ち運びながらどこでもインターネットに接続できる点は、ユーザーにとって大きな利便性をもたらします。

 

モビリティが必要な理由

 

  • オフィス内の移動: 社内で会議室を移動しながらノートパソコンやスマートフォンで常に接続が必要な場面が多いです。
  • 公共施設での利用: カフェや空港など、さまざまな場所で途切れることなくインターネットに接続したい場合があります。
  • IoTデバイスの活用: 移動するデバイス(例:自動車の無線LANなど)にも移動しながらもシームレス=通信・通話が途切れない接続が求められます。

 

モビリティ実現のための技術

  • ローミング: 一つのネットワーク内で、複数のアクセスポイントの中で、通信サービスが受けられる仕組みのことを言います。
  • ハンドオーバー: 一つのアクセスポイントから別のアクセスポイントに接続が切り替わる際に、通信が途切れないようにする技術です。ハンドオーバーは実際の通信中に切れないようにする技術のことを指します。ローミングは、別の場所でも通信出来るという意味合いが強いです。
  • メッシュネットワーク: 複数のアクセスポイントが互いに連携し、広範囲にわたって安定した接続を提供する仕組みです。ユーザーから見ると、使える範囲が広いと感じることになります。

 

モビリティの課題と解決策

 

移動中の通信では、アクセスポイントの切り替え時=ハンドオーバー時に一時的な接続の途切れが発生する場合があります。

 

これに対しては、高速ローミングの設定や、対応するデバイス・アクセスポイントの選定が重要です。

 

また、メッシュネットワークを導入することで、オフィスや家庭の隅々までシームレスな通信環境を提供できます。

 

おわりに

 

無線LANを効率的に運用するためには、セキュリティ、QoS、モビリティという3つの要素が重要です。

 

それぞれの要素は独立しているように見えますが、全体として安定したネットワーク環境を構築するためには、これらをバランスよく組み合わせることが必要です。

 

 

  • セキュリティ:不正なアクセスや通信内容の漏洩を防ぐ。
  • QoS:重要な通信の品質を保証し、遅延を防ぐ。
  • モビリティ:移動中でもシームレスな接続を提供する。広い範囲で使用出来る。

 

これらの要素を考慮した無線LANの設計・運用を行うことで、日常生活やビジネスの場面で、快適かつ安全なネットワーク環境を実現できます。

 

Wi-Fiの利便性を最大限に引き出すために、ぜひこれらのポイントを押さえた運用および、これらの機能が備わって機器の選定を心がけてください。

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