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無線通信が難しい理由:3つのポイントで解説

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はじめに

 

皆さんは、日頃からスマートフォンやWi-Fiなど、無線通信を利用しているかと思います。しかし、この便利な無線通信には、実は様々な困難が潜んでいます。

 

今回は、無線通信がなぜ難しいのか、その理由を3つのポイントに絞って解説します。

 

1. 無線通信はエラーを起こしやすい

 

無線通信は、電波を用いて情報をやり取りするため、有線通信に比べてエラーが発生しやすいという特徴があります。

  • 距離による影響: 送受信機間の距離が離れると、電波が減衰し、エラーが発生しやすくなります。
  • 妨害波の影響: 周りの電波状況が悪く、他の電波が干渉すると、正常な通信ができなくなることがあります。
  • 混雑による影響: 多くの端末が同じ周波数帯を利用することで、電波が混雑し、エラーが発生しやすくなります。

特に、最近普及している5GやWi-Fiの5GHz帯、6GHz帯は、電波の周波数が高いため、障害物による影響を受けやすく、エラーが発生しやすい傾向にあります。

 

2. 障害物や人がいると通信が不安定になる

 

 

無線通信は、電波が障害物に遮られると、届きにくくなり、通信が途絶えてしまうことがあります。

  • 電波の回り込み: 高周波の電波は、障害物を回り込む性質が弱いため、建物や人によって電波が遮られ、通信が途絶えることがあります。
  • 電波の減衰: 電波は、壁や窓などの障害物を通過する際に、その強度が弱まります。

そのため、電波が届きにくい場所では、通信が不安定になることがあります。

 

3. 圏外復帰やハンドオーバーがうまくいかない

 

無線通信では、移動中に電波状況が変化した場合、別の基地局に接続し直す「ハンドオーバー」という処理が行われます。

 

しかし、このハンドオーバーがうまくいかないと、通信が途絶えてしまうことがあります。

  • ハンドオーバーの失敗: 電波状況が悪かったり、基地局間の連携がうまくいかなかったりすると、ハンドオーバーが失敗することがあります。
  • 圏外復帰の遅延: 電波が途絶えても、元の基地局に接続しなおす「圏外復帰」が遅れてしまい、通信が復旧しないことがあります。

私自身、過去のコードレス電話やPHSの開発において、上記ハンドオーバーの失敗や圏外復帰失敗などで苦労した経験があります。

 

まとめ

 

無線通信は、私たちの生活に欠かせないものですが、その裏側では様々な技術的な課題が存在しています。電波の特性や環境によって、通信が不安定になることは避けられません。

しかし、技術の進歩によって、これらの課題は徐々に解決されてきています。

 

例えば、複数のアンテナを用いて電波の受信品質を向上させるMIMO技術、その中でもビームフォーミング技術、電波の周波数を使い分ける周波数多重化技術などが開発されています。

 

今後も、より安定した無線通信を実現するために、様々な技術革新がされていくと思います。

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