無線LANの周波数帯について解説します
この記事では、無線LANで使用される周波数帯について解説していきます。
主に2.4GHz帯、5GHz帯、そして最近注目されている6GHz帯についてお話しします。
目次
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以下お聞き下さい
無線LANで利用される周波数帯
無線LANでは、主に以下の周波数帯が利用されています。
- 2.4GHz帯
- 5GHz帯
- 6GHz帯(新たに追加された周波数帯)
最近では**Wi-Fi HaLow(802.11ah)**によって、920MHz帯も使用され始めていますが、今回は特に2.4GHz帯、5GHz帯、そして6GHz帯について詳しく解説します。
2.4GHz帯のチャネルについて
まずは2.4GHz帯についてです。
IEEE802.11bの規格では、1CHから14CHまで利用可能で、IEEE802.11gでは1CHから13CHまで使えます。
ただし、14CHは最大で11Mbpsしか出ないため、実際にはほとんど使われていません。
そのため、2.4GHz帯で一般的に使用できるチャネルは、1CHから13CHだと考えてください。
しかし、13CHすべてを同じ場所で使用することはできません。
その理由は、隣接するチャネル間で周波数が重なり、干渉を引き起こす可能性があるからです。
そこで、一般的には**1・6・11(14は例外)**のように、5CHずつ間隔をあけて使用することで、干渉を防ぐようにしています。
5GHz帯のチャネルについて
次に、5GHz帯について見ていきましょう。
5GHz帯は、IEEE802.11aの規格で利用されており、利用可能なチャネルは以下の通りです。
- W52(5.15GHz – 5.25GHz):36、40、44、48
- W53(5.25GHz – 5.35GHz):52、56、60、64
- W56(5.47GHz – 5.725GHz):100、104、108、112、116、120、124、128、132、136、140
なお、何故W52,W53,W56と言う名称なのかを調べてみたのですが、なかなか根拠が見つかりませんでした。
想像ですが、W52であれば中心が5.2GHz、W53であれば中心が5.3GHz、W56であれば、中心が5.6GHzなので、名称のつじつまが合いますね。
5GHz帯の場合、それぞれのチャネルは周波数が重ならない設計になっているため、隣接するチャネルを使用しても干渉することはありません。
屋外での5GHz帯利用制限に注意が必要
5GHz帯の周波数は、日本国内の法令により屋外での使用が制限されています。ただし、W56のチャネルについては、屋外でも使用が可能です。W53とW56のチャネルを使用する場合には、次の2つの機能が必要となります。
-
DFS(Dynamic Frequency Selection)
気象レーダーなどの干渉波を検出した場合に、動的にチャネルを変更する機能です。 -
TPC(Transmit Power Control)
干渉を避けるために、無線の出力を自動的に低減させる機能です。
これらの機能により、設置時にW53やW56のチャネルを固定的に割り当てたとしても、気象レーダーの干渉を検知すると、予期せぬチャネル変更や一時的な停波(電波が停止すること)が発生することがあります。
停波の実例
特に、窓際に設置したアクセスポイントは、私たちの経験でも停波することが多いです。一方、屋内の奥まった場所にアクセスポイントを設置すると、気象レーダーの影響を受けにくくなります。しかし、空港近隣のエリアでは、TPC機能によって頻繁に停波が発生するケースが見受けられました。
まとめ
無線LANで利用される2.4GHz帯と5GHz帯、そして新たに拡張された6GHz帯の特徴と、特に日本国内での使用制限について解説しました。
それぞれの周波数帯には、干渉を避けるための工夫が必要です。設置環境や地域に応じて適切なチャネル設定を行うことが重要です。
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