IoTにおける組み込み機器の開発について
少しバズワードとしては落ち着いてきたIoTですが、現在でも伸びる事業として注目されていることは間違いありません。
この記事では、IoTにおける”組み込み機器”開発はどう進めていけば良いのかについて概要を解説したいと思います。
目次
はじめに ”組み込み機器”とは?
組み込み機器という言葉はあまりなじみが無い方も居るかも知れません。組み込み機器とは機器の中にマイクロプロセッサなど所謂ソフトウエアによって制御される半導体が搭載されている機器のことを言います。
現在は、殆どの家電製品を始めとして、様々な機器の中にマイクロプロセッサが搭載されているので、世の中組み込み機器だらけと言えます。さらには、センサーデバイスのような電子部品の中にも最近はマイクロプロセッサが搭載されている場合が多く、そういったそれぞれの電子部品も組み込み機器ということになります。
なおマイクロプロセッサが搭載されているこういった組み込み機器のことをシステム機器と称する場合も有ります。
IoT商品化の開発要素は多岐にわたる
以下の図をご覧ください
この図の通り、IoT商品化の開発要素は多岐にわたることがわかります。
IoTにおいて”商品”として目立つ部分は、専門的な用語としては組み込み機器といって中にマイクロプロセッサが搭載されている製品になります。
そういった商品の開発自体、組み込み機器のハードウエア開発、ソフトウエア開発が求められます。
それ以外にもIoT商品化のためには図に書いて有るとおり、商品の様々な情報をクラウド側に上げるための通信方式、通信仕様の決定を行なった上で、クラウド側のデータ分析、蓄積、制御といった所謂アプリケーションの開発と、Webアプリソフト開発が必要になります。
さらに表示デバイスとしてのスマホアプリ若しくはPCソフトの開発も必要になると言うことで、様々なハードウエア、ソフトウエアの開発が必要となります。
組み込み機器の商用ハードウエア・組み込みソフトウエア開発について
基本的には今までの組み込み機器のハードウエア・ソフトウエア開発と同じです。
特長としては、その中の要素としては、センサデバイスと無線モジュールは必須となります。なぜならば、IoTにおいては商品の中の様々な情報を検知するのがセンサであり、様々な情報をクラウドに送るために一般的には無線モジュールが必要となります。
組み込み機器に使用する無線モジュールについて
次に上記商品の中の無線モジュールとして何を使用するかの選択手段としていくつかあります。
まずインターネットに直接繋ぐかゲートウエイを介すかで大きく分かれます。
1)途中にゲートウエイを介して、ゲートウエイからインターネットに接続する方法
一般にここで書いたゲートウエイはWi-Fiルータという名前の場合が多いです。ということは組み込み機器内の無線モジュールもWi-Fiモジュールということになります。Wi-Fiというのはご存じかとは思いますが、無線LANのことです。この10年くらいはWi-Fiという言葉が定着しました。
Wi-FiルータはWi-Fiという点ではWi-Fiアクセスポイント(AP)とも言います。組み込み機器とはWi-Fiで繋がるわけです。
さらにWi-Fiルータがもう一つ回線終端装置のような装置を介して光回線を用いて、インターネットに繋がるのが一般的です。
なお、組み込み機器からの情報量が少ない場合、かつ沢山の組み込み機器が有る場合は、Wi-FiでなくBLE(ブルートゥースローエナジー)という無線通信方式を用いる場合もあります。
その場合は、上記Wi-Fiルータの前に一般にはIoTルータといって組み込み機器からの情報はBLEで受けた上で、Wi-Fiルータに対してWi-Fiで情報を送るという動作をIoTルータが行ないます。
2)直接組み込み機器からインターネットに接続する方法
家や建物の中から光回線でインターネットに接続する場合は、1)で記したように光回線との契約、回線終端装置の設置、Wi-Fiルータの設置などが必要になるわけですが、最近は組み込み機器から無線で直接インターネットに接続するケースも増えています。
どうするかと言えば、組み込み機器内に所謂携帯電話、スマートフォンと同じ無線通信が出来る無線モジュールを搭載することによって実現出来ます。
かつ、スマートフォンなどに比べて動画ストリームなど大容量の情報を送るケースは少ないので、そういった用途に合わせる形で数年前からLPWA(Low Power Wide Area)という無線方式も広まっており、このLPWAに適応した無線モジュールを使用するケースもあります。
まとめ
この記事では、IoTの組み込み機器の開発について解説しました。
組み込み機器でもIoTならではの特徴と言えば、クラウドに情報を送るためのセンサーデバイスが搭載されていることと、クラウドに情報を送るための無線通信モジュールが搭載されていること、と言えます。
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