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無線LANは通信中にチャンネルを切り替えない!

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はじめに

この記事では「無線LANは通信したらチャンネルを変えない」という特徴についてお話しします。

 

ポッドキャストでも話をしています

以下お聞き下さい

 

無線通信におけるチャンネル切り替えとは?

 

私は30年以上、コードレス電話、PHS、無線LAN、携帯電話、Bluetoothといった無線通信に携わってきました。1980年代後半から開発に関わったアナログコードレス電話では、一度通信を開始したチャンネルを維持する方式を採用していました。通信距離が10m程度で、同じチャンネルが干渉する可能性が低かったためです。

 

しかし、1990年代のPHSからは通信状態が悪い場合に、同じ周波数内でスロットを切り替えたり、別の周波数に移行する技術が導入されました。これが後に携帯電話でも標準的な技術となりました。

 

また、Bluetoothでは「周波数ホッピング」により通信ごとにチャンネルが変更するという方式です。

 

携帯電話も無線チャンネルを切り替えるという方式は取り入れられています。

 

無線LANの仕組みと特徴

 

一方、無線LANは通信開始後もチャンネルを変更せず、通信中のチャンネルを固定します。これは、無線LANがもともと有線LANを模した設計思想に基づいているためです。無線LANでは、必要なときだけデータを送受信するため、複数のデバイスが同じチャンネルを共有できます。

 

ただし、同じタイミングで複数のデバイスが電波を発信すると、干渉によって通信が妨げられます。そのため、無線LANは**CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)**という方式を採用しています。

 

他のデバイスが通信中でないことを確認してから、自分の通信を開始する仕組みです。

 

 

チャンネル固定による影響と課題

 

無線LANはチャンネルを変えないため、周囲のチャンネルが混雑すると、データの送信タイミングが遅れます。この遅延は特に、動画視聴やWeb会議などリアルタイム通信で顕著に現れます。デバイスが送信できないと、相手からのデータも受信しづらくなり、通信速度全体が低下します。

 

まとめ

 

無線LANが通信中にチャンネルを変更しない理由は、もともと有線LANを基に設計されたことと、必要なときだけ通信するという特性にあります。

 

しかし、混雑する環境では通信の遅延が発生しやすいため、これを理解して通信環境を整えることが重要です。

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