短期間で商品開発を成功させるには、特別プロジェクトが良い
商品開発について過去の経験から思っていることをお話します。
それは、短期間で商品開発を成功するためには特別プロジェクトが良い という経験談です。
過去、短期間で商品開発が出来た例として2つあります。
1つは、1990年4月に発売したコードレス留守番電話、
もう1つは1996年2月頃発売したPHSのホームアンテナです。
前者は、過去も何度か書いたと思いますが、シャープが1989年の中頃に発売したCJA-300という価格78000円だったと思いますが、小電力コードレス留守番電話が大ヒット商品になり、それに対抗するための商品開発でした。
通称”Kプロ”(シャープを超すという意味だったかな・・)と言って、様々な部署からメンバーが集められて、一つの部屋に集結して(だったと思います・・・)1989年12月~3月の約4ヶ月で開発設計を行いました。
通常その倍以上は開発期間が掛かるのが当たり前だったときに、かなりのスピードで開発を行いました。
もちろん、月残業時間100時間とか、年末年始も仕事をするなどかなり過酷な開発プロジェクトでしたが、特別プロジェクトとしてメンバーは一つの部屋に集まり、1990年4月に発売するという目標に向かって頑張ったおかげで、予定通り4月に発売し(4月1日でなく、15日くらいになったかもしれませんが)少なくとも1週は電波新聞のコードレス留守番電話売り上げランキングでシャープを抜いて1位になりました。
”光るアンテナ”と”子機が増やせる”がキャッチフレーズでした。
後者は、PHSの公衆サービスが1995年7月に開始された後、家の中でPHSが使えないというクレームに対応して、当時の事業者であるNTTパーソナルから家の窓際に”中継器”を置いて家の中で使えるようにするという機器を開発して欲しいという要望が来て開発したものでした。
当初開発期間は6ヶ月以上かかるといった報告をしたところ何度かの打ち合わせで開発期間をどんどん縮められ、最終的に、約3ヶ月で開発をしました。
そのときのプロジェクトメンバーは、前者よりは少なかったですが、それでも10名くらいのメンバーが一つの部屋に集結した特別プロジェクトが出来て開発を行いました。
確か何人かがインフルエンザに罹ってしまうと言う問題もあったものの集中的に開発にいそしんだおかげで(前者と同じようなイメージで確か元旦以外は仕事してました)3ヶ月で開発完了し、発売することが出来ました。
ただし、発売直後バグが見つかり、そのときNTTパーソナルに深夜に行き、徹夜で横浜とリモートで解析して原因がわかり、その後、製品回収してソフトを修正した覚えはあります。
”ホームアンテナ”という名前でとんねるず が宣伝してくれました。
この2つのエピソードを通じていえることは、
短期間で開発設計を成功させるためには、特別プロジェクトを作り、メンバーが同じ場所に集まり、目標を共有して行うことだと思います。
これは商品開発だけではありません。
全ての仕事において、やはり大事なのはチームワーク、チームのメンバーが目標を共有して、その目標に向け周知を集めて頑張るコトだと思います。
コロナ禍でリモートワークなどが増えていて、大変な状況ですが、理想的には、やはりリアルにメンバーが集まってプロジェクトを進めていくのが私は一番良い方法だと思っています。
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