「ありがとう」と言って怒る人はいない
長年商品開発設計や要素技術開発などに携わっていた経験からいえることとして、開発を進める上で、技術そのものよりも難しいのは人間関係だと思っています。
何故なら、私が関わっていた商品や商品の要素技術の開発はたった一人で出来るモノなどなく、必ずプロジェクトチームを組んで行われるからです。
私のような技術者だけでなく、あらゆる仕事、あらゆる生活において、一人で全てを行うことなどは有りえず、必ず他の人との関わりがあります。
開発設計においては、プロジェクトマネジメントという考え方がありますが、そのプロジェクトマネジメントの中でもコミュニケーションが重要視されています。当然人と人とのコミュニケーションのことです。
過去様々な商品開発プロジェクトにおいて、うまくいったプロジェクトは人間関係が良好、うまくいかなかったプロジェクトは人間関係が悪化、という傾向があったことは以前も書いたかと思います。
それでは、コミュニケーションを円滑にする方法で重要かつ即効性のある方法は何でしょうか?それは周りの人が自分にとって何か行ってくれたときに、相手の人に”ありがとう”と伝えたること、メッセージを送ることだと思います。
ちょうど約10年間、P社の商品開発センターで、設計全般に関する仕事を担当していたとき、設計基準の見直し、勉強会の推進などに加えて、いかにセンター内のコミュニケーションを良くするか?というワーキンググループのメンターも務めており、そのときにメンバーと共に決めたのが”サンクスカード”という運動でした。
自分にとってちょっとしたことでも何か行ってくれた方、またはセンターのことを考えて何か良いことを行ってくれた方に、サンクスカードに”~してくれてありがとうございます”というメッセージと共に”ありがとうございます”と言ってサンクスカードを渡すという取り組みです。
実際のところは、この取り組みはセンター内でなかなか浸透せず、(やはり、恥ずかしさという感覚はありました)数ヶ月で終了になったと記憶していますが、振り返ると、私自身サンクスカードを他の人に渡したとき、または他の人からサンクスカードを貰ったときは、とても嬉しく、いい気持ちになりました。
つまり、”ありがとう”というメッセージは、他でも良く言われてますが”魔法の言葉”の一つで、言った方も、言われた方も、とても心地よくなります。
”ありがとう”と言われて怒る人はいないと思います。
3年前に受講したポジティブ心理学のワークショップで学んだことの一つも”感謝する”という行動です。
これからも仕事・生活 様々な場面において、周りの人々に”ありがとう”という言葉をかけていきたいと思います。
前の記事へ
次の記事へ